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新しい暮らしの始まった住まい  - W邸(福岡県福岡市)-

竣工!そしてオープンハウス

June 2010

オープンハウスへのご来場、ありがとうございました。

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 福岡市南区のW邸のオープンハウスイベントを開催しました。市内中心部からは少し離れた立地にも関わらず、沢山の方たちをお招きすることが出来ました。ありがとうございます。

 外観は、まだ植栽整備などを待たれ、何となく足下が落ち着きませんが、樹脂モルタルのコテあとの残った仕上がりと深い軒の出、木製サッシの風合いなどが、この住まいの表情を決めています。都市型住宅にあって、車庫の確保はかなりの難題なのですが、2台の自家用車スペースと、横付け出来るゲスト用のスペースを確保しました。道路側は北面のファサードのため大きな開口はこちらに向いていませんが、左手のアプローチから内部にはいると全く別世界が広がっています。


4人のお子さんの成長を見守る住まい

 W邸の企画は、育ち盛りの二男二女のお子さんたちのために個室を...をというご夫妻のたっての希望からスタートしました。限りあるスペースを何に充てるべきかとなったとき、多くの親御さんは「子どもを優先して」をおっしゃいます。そのお気持ちは喜ばしく大切な事なのですが、私たちは冷静に、その先回りをしなければなりません。子どもたちは、10数年もすれば巣立っていきます。その後、空っぽになった細切れの2階の個室が使われないまま、物置と化している光景をよく目にしませんか? 近い将来、この住まいに残り、暮らしていかれるのはご夫婦なのです。この住まいの主としてのご夫婦を大切にしたい、そう思います。住まいのカタチは家族関係をも左右しうるもの。子どもたちの安心にとって何よりも大切なものは、自分を囲ってくれる個室の壁ではなく、お父さんお母さんの存在と見守りではないでしょうか。まずはお父さんお母さんが日々寛ぐことができ、心身の健康と安定を手に入れられる住まいが、子どもたちにとっても幸せなのではと思うのです。

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 そうした経緯で、W邸の子どもスペースは階段を上がりきったホールに広がる4人共有の遊び場と、その奥に視線だけを区切ったベッドと収納を兼ねるオリジナルの造作家具が配されました。おもちゃ箱の収納スペースや、絵本棚、デスクトップなどの共有スペースが、勾配天井の大きな空間にちりばめられています。

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 子どもさんの落下防止のため手すりは厳重にと壁の上に手すり子を乗せましたが、子どもというものは、どうしたって下が覗きたくなるものです。絵本を入れる書架棚の間にスリットを入れて、まだ小さな末っ子ちゃんでも安全に階下を見下ろせるようにしました。スリットのもうひとつの要素は、2階の床近くに溜まった空気を1階と混ぜるための気流道でもあります。

リビングへ降りる時には...

 負担なく上り下りできる勾配を守りながら、ここでの階段は、子どもたちのスペースとお客様を含めた大人たちも寛げるスペースとを緩やかに区切る緩衝地帯でもあります。

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