髭の住まいづくり報告 - Y邸(山口県山口市)-
完成しました!
2016.04.13
これまでお母様がお独りで住まわれていた大きなお家を更地にし、今回建て直しとして、Y 邸が完成しました。元々、母屋や農作業をする長屋、置き屋根の蔵などがひしめき合っていた広大な敷地。蔵くらいは保存した方が良いのではないかと抗ったほどの佇まいの旧家でした。
左写真はお母様の部屋の押入れにあしらった、旧家にあった透かし欄間の見事な枝振りの梅の彫り物です。正目の杉板に、繊細な透かしの陰影は、解体の時から何処かで使えればと考えていたものです。また、水回りの扉に施したダイヤ型の灯り抜きのガラス(右写真)は、旧宅にあった建具から取り置いた型ガラスを使いました。よいアクセントになっています。
人間長く住まい続けた環境から、ご高齢になってそれが一変すると大きなストレスになりかねません。今回お母様は新築を喜んでいらっしゃいますが、潜在的なストレスは否定できないと思い、旧家の思い出をなるべく織り込みたいと言うのがコンセプトでした。今回のY邸ではいたるところにこういう工夫をしています。
思い出を組み込む。
2016.01.29
旧宅を解体した時に出た透かし彫りの部材を何処に使おうかと言う棟梁のご相談で、ご家族と棟梁と現物を見ながら検討しました。
彫りのカーブが良いものを選んで、とある部分に移植する事を決定。どこに使ったかは仕上げを見てのお楽しみです。
かつての佇まいに負けないY邸を目指して。
2015.11.13
上棟
山口市湯田に建つY邸。関東にお住まいだった夫妻と娘さんが、ご夫妻のお仕事を終えれたことを機に帰郷。長年蔵のあるこの地にあった古い民家で一人お住まいだったお母様と一緒に暮らすための住まいです。
矩形の敷地に逆らうように、斜めに配置された今回のY邸ですが、リビングや、お母様のお部屋はしっかり真南を向いています。土地との間に生まれる三角形の余白は、それぞれ意味のある機能を持たせて活用します。
この日の天気予報はかなりの確率で雨でしたが、さほど作業中は濡れる事も無く、建ち上がった頃には雨も止んでいました。風格のあるかつての佇まいに負けないようなY邸の完成を目指します。
実施設計も大詰めです
September 2015
着彩模型で最終確認
実施設計の進行と合わせて、お施主さまにもより具体的なイメージを膨らませていただける着彩の模型を作り込みます。
外装の切り替えなども、この模型を使って最終チェック。
造成中
June 2015
スタディ模型でイメージチェック
元々蔵のある古い民家の建っていた敷地は解体工事も終わり、更地となっています。一部保存などの提案も含めて検討を重ね、今回は新築として企画する事になりました。解体時に出てきた使えそうな建具や古い金物などの材は一部避難。スタディ模型をかざしながら、イメージを共有します。
この辺りは行政ハザードマップによると豪雨災害などで浸水の危険も少し懸念される地域。GL設定をそれに合わせ、敷地全体をかさ上げする事が決まりました。インナーガレージ、農具庫などをもつ、大きな規模の邸宅ですが、ご家族の居住の為のスペースは、なるべくヴォリュームを小さくするように心がけています。これからいよいよ具体的な実施設計、造成、着工へとスケジュールが進んで行きます。